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①【記事チェック】人間の傲慢さの極地…世界遺産・奄美大島の「猫3000匹殺処分計画」はなぜ止まらないのか←という記事があったのでチェックしてみたよ
②【記事チェック】人間の傲慢さの極地…世界遺産・奄美大島の「猫3000匹殺処分計画」はなぜ止まらないのか←という記事があったのでチェックしてみたよ
③【記事チェック】人間の傲慢さの極地…世界遺産・奄美大島の「猫3000匹殺処分計画」はなぜ止まらないのか←という記事があったのでチェックしてみたよ
④【記事チェック】人間の傲慢さの極地…世界遺産・奄美大島の「猫3000匹殺処分計画」はなぜ止まらないのか←という記事があったのでチェックしてみたよ
奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画は科学的根拠が弱いと話す記事に対し、実は根拠があるんだよと話すなちゅ。しかし世界自然遺産登録故の計画という主張におどるは混乱し始める。どうなるなちゅ!無事読み解くことはできるのか?!
今日は管理計画が世界自然遺産登録故のもの、という部分を見て行くよ。
前回は長かったわね!今回はサクサク行きましょう!
そうしよう。じゃ、みていくよー。
ノネコ管理計画は世界自然遺産ありきの計画?
「増えていようが減っていようが、マイナスになる」
さらにこうも言っていた。「世界遺産の価値というのは、顕著で普遍的な価値といわれる。その一つにアマミノクロウサギをはじめとするこの地域にしか棲んでいない生き物というのがある。その数が増えていようが減っていようが、個体が食べられている。それ自体が世界自然遺産登録にマイナスになると我々は感じています」
この言葉だけでもわかるように、「ノネコ管理計画」の遂行は、「世界自然遺産登録」と深く関与していたのだ。
人間の傲慢さの極地…世界遺産・奄美大島の「猫3000匹殺処分計画」はなぜ止まらないのか
これだけ見ると、確かに世界自然遺産登録したいからやりますって言うように見えるわね。
確かにそうだね。でも実際、どのように質問してどんな流れでこの言葉が出てきたかわからないから、正直ニュアンスを測りかねるなって僕は感じたかな。
え?ニュアンス?
この文だけだと、世界自然遺産ほしさゆえの計画だって思っちゃう。ちょっと混乱しちゃうよね。文章ひとつひとつ分解しながら見て行こうか。
世界遺産の価値というのは、顕著で普遍的な価値
ふわっと受け止めていたけど、ここ分解すると意味わかんないわね。
この「顕著で普遍的な価値」っていうのは、世界遺産条約履行のための作業指針に記された規定なんだ。つまり登録するための指針なんだね。正直どういうことなのかわかりづらいから、まずは引用するね。
オー‐ユー‐ブイ【OUV】[outstanding universal value]
《outstanding universal value 「顕著な普遍的価値」などと訳す》世界遺産に登録されるための必要条件。国の違いを超えて、現代・将来の人類にとって貴重な文化遺産・自然遺産のこと。
デジタル大辞泉「OUV」の解説
[補説]世界遺産条約では、歴史・芸術・学術・民族学・人類学・観賞・保存・景観などの観点から「顕著な普遍的価値を有するもの」を文化遺産・自然遺産と定義している。「世界遺産条約履行のための作業指針」では顕著な普遍的価値について、「国家の域を超えてなお例外的であり、かつ、全人類の現代及び将来の世代に共通して大切とされる文化的または自然的な重要性のこと」と解説し、「顕著な普遍的価値を有するとみなされるには、資産が完全性および真実性の条件をも満たし、かつ、資産の保全を確実とする適切な保護および管理体制を有していなければならない」としている。
文字の海!
漢字ましましだよ!
色がついたところだけひとまず読んでみて。黄色いところが「顕著で普遍的な価値」の意味の部分だよ。
「国家の域を超えてなお例外的であり、かつ、全人類の現代及び将来の世代に共通して大切とされる文化的または自然的な重要性のこと」??????
国をこえてみんなで大切にする文化的または自然的な重要なものってことかな。つまり地球のみんなで大切にしたいよねってことだよね。
じゃあ「顕著な普遍的価値を有するとみなされるには、資産が完全性および真実性の条件をも満たし、かつ、資産の保全を確実とする適切な保護および管理体制を有していなければならない」ここは?
条件を満たしていてなおかつ、登録地をちゃんと守れる管理体制をもっておいてねってことだよ。確かに大切にしたいものがあっても大切にできる環境がなければ登録したってすぐにダメになっちゃいそうだもんね。
奄美大島のみに棲む生き物は顕著で普遍的な価値のひとつ
「世界遺産の価値というのは、顕著で普遍的な価値といわれる。その一つにアマミノクロウサギをはじめとするこの地域にしか棲んでいない生き物というのがある。その数が増えていようが減っていようが、個体が食べられている。それ自体が世界自然遺産登録にマイナスになると我々は感じています」
人間の傲慢さの極地…世界遺産・奄美大島の「猫3000匹殺処分計画」はなぜ止まらないのか
つまりアマミノクロウサギや奄美大島にしか棲んでいない生き物は地球のみんなで大切にしたい生き物ってことなのね!
そういうことになるね!だから「その数が増えていようが減っていようが、個体が食べられている。」と続いたのかな。
でもなんで食べられること自体が「世界自然遺産にマイナスになると我々は感じてます」と言ったのかしら?
そもそもなんだけど、「環境省からみる世界自然遺産」と「世間の世界自然遺産」に違いがあるかもしれないね。ちなみにおどるは世界自然遺産ってどんなものだと思う?
うーん。観光客が押し寄せるイメージね。
そう思っている人はとても多いだろうね。でも実際、世界自然遺産って実際どうなんだろう?そこも見て行こう。
世界自然遺産ってなんだろう?
環境省の「世界遺産とは」のページを参考にしていくよ。
世界遺産とは
「顕著な普遍的価値(人類全体にとって特に重要な価値)」を有し、将来にわたり保全すべき遺産として世界遺産委員会※が認め、「世界遺産一覧表」に記載されたものが世界遺産です。世界遺産には「自然遺産」と「文化遺産」、両方の価値を兼ね備えている「複合遺産」があります。
世界遺産とは
顕著な普遍的価値……みんなで大切にしたいものを委員会が認めて、一覧に記載されたら世界遺産なのね。
そうそう。ちなみに奄美大島は生物多様性(いろいろな生き物がいる)を評価されて世界自然遺産登録に至ったよ。
でもこれじゃよくわからないわ。奄美の生き物が食べられていること自体が世界自然遺産登録にマイナスになる、っていうのはつまり世界自然遺産登録したかった、ってことなのよね?
そうだと思う。ただ、世間が考えるような「金銭的な得(観光など)があるから登録したい」ってわけじゃなくて、「守りたいからこそ登録したい」って気持ちなんだと思うんだよ。どうしてそう思うか、議事録を見つけたからちょっと紹介するね。
価値を守るということを国際的に宣言
保全管理は単に行政的な管理者が進めるだけではなくて、保全管理に関する目標とか役割分担を準備過程で議論することが凄く大事で、それを作ったことが登録後の管理が効果的に進むことになると思うんです。ですから、そこにも「保全管理に関する目的や役割分担の議論に基づいた保全管理が進められ、」という形で、準備過程での大事な部分を2点申し上げましたけれども、そういったことを是非入れていただけるとありがたいと思います。
新たな世界自然遺産候補地の考え方に係る懇談会 | 第5回議事録
岩槻座長 どうもありがとうございます。世界遺産ということの考え方は、この懇談会の中での議論でもあったんですけれども、登録することが目的ではなくて、登録することによってどんな良いことを導くかということが目的です。だから、過程においてもそういうことがはっきり出てくることが重要だということが議論になってきていますので、確かにそのことに触れておく方が正しい整理の仕方かと思います。
世界遺産になるということは、ある意味でいうと、そういう価値を守るということを国際的に宣言しているわけで、昨年秋の世界遺産の会議の時もありましたけど、利用についての持続性について、持続可能な利用以外は駄目なんだという記述をどこかで入れるべきと感じました。
新たな世界自然遺産候補地の考え方に係る懇談会 | 第5回議事録
何の議事録?
世界自然遺産の考え方について話している議事録だね。黄色いところを見てほしいな。
「登録することが目的ではなくて、登録することによってどんな良いことを導くかということが目的」……良いことって何かしら?
話の流れ的に保全や地元民の意識かな。つまり登録がゴールじゃなくて、登録によって意識の高まりや保全などプラスに導くことが目的ってことだね。世界遺産登録はあくまでも通過点ってことなんだね。
「世界遺産になるということは、ある意味でいうと、そういう価値を守るということを国際的に宣言」これは私にもわかるわ!ここ、守りまーすってアピールになるってことね!
今一度記事を振り返ってみよう
「増えていようが減っていようが、マイナスになる」
さらにこうも言っていた。「世界遺産の価値というのは、顕著で普遍的な価値といわれる。その一つにアマミノクロウサギをはじめとするこの地域にしか棲んでいない生き物というのがある。その数が増えていようが減っていようが、個体が食べられている。それ自体が世界自然遺産登録にマイナスになると我々は感じています」
この言葉だけでもわかるように、「ノネコ管理計画」の遂行は、「世界自然遺産登録」と深く関与していたのだ。
人間の傲慢さの極地…世界遺産・奄美大島の「猫3000匹殺処分計画」はなぜ止まらないのか
登録は守ります宣言!ということを踏まえてまた読んでみると、また違った見え方ができるよね。
顕著で普遍的な価値はみんなで大切にしたいということで、奄美に棲んでいる生き物はまさに顕著で普遍的な価値あるもの。環境省は守ります宣言を当然したいわよね。
環境省自体が保全するところだし、当然そうだろうね。世界に宣言することで周知もできるし登録された後は守りやすくなると思うよ。
登録には条件があって、ノネコが食べているのは評価上マイナスになる。守るためにはノネコ管理計画も必要ってことね。
そうだね。ただ登録のために管理計画があるわけじゃなくて、保全のために管理計画があり、登録もまた保全のためってことだよね。
世界自然遺産登録へのイメージで、誤解を生んじゃっている可能性があるわねえ、これ。
次回!外来種は全部排除・駆除ってホント?!
今回はサクサクって約束したじゃない!!!!
今回も中々難しい話題だったね。読み解けば読み解くほど理解も深まって僕は楽しいよ。
次回は何?何の話?
次回は猫は外来種って話!これはもう、良く知られていることだけど一応おさらいがてら読んでいこうね。じゃあ、またねー。
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